第1章 記憶にない。  第2章 コロ。


どこの家でもありがちな事だと思うが、
「ちゃんとお世話するから」とお願いして一緒に暮らすことになったとしても
生き物のお世話は、大抵父か母の仕事になる。
コロも例外ではなかった。


コロは普段、小屋につながれていたが、
父が休みの日は、少し離れた高校のグランドまで行き ” つな ” を離して遊ばせていた。


2~3年たった頃。
いつものようにグランドでコロを遊ばせていた父が、そろそろ帰ろうとコロを呼んだ。
しかしコロは戻ってくることはなかった。


多分連れて行かれてしまったのだろうと父は言った。
当時は当たり前のように野良犬がいたし、放し飼いをしている家庭も多かった。
コロはとても賢い犬だったので、
戻らなかったのではなく、戻ってこれなくなったに違いない。
良い犬はよくいなくなる時代だったし、そう考えるのが妥当だった。


私はとても悲しかった。
自分がちゃんとお散歩に行けば、コロはいなくならなかったかもしれないと悔やんだ。


それから数ヶ月。
近所で子犬が産まれた。
白い子犬は隣の家で、茶色い子犬は我が家で暮らすことになった。


” 今度はちゃんとお世話しよう ” そう心に決めた。

ロッキー
近所で生まれたロッキー 


ある日のこと。
父と兄に連れられて釣りに行くと、砂浜に一匹の犬がいた。
よく行くその海で、犬に会ったことは今まで一度もなかった。
首輪はしていなかったがとてもよく慣れていたので、もしかしたら捨てられたのかもしれない。
兄と私は、うす汚れたその犬といっぱい遊んだ。


あたりも暗くなり、もう帰らなけれなならない時間になった。


「さよならしなさい」


そう父に言われた。
後ろ髪を引かれ、しぶしぶ「バイバイ」とお別れを言いタクシーに乗り込んだ。

タクシーが走り出すと、その犬は歩道をトコトコとついてきた。
タクシーがスピードをあげると、犬は道路に飛び出必死に走ってついてきた。


「パパ!ついてくる!ねぇ、ついてくるよ!!」


泣きながらそう言った。
何度も危ない目にあいながら懸命に走る犬とタクシーとの距離はどんどん広がり、
やがて犬は走ることを諦めた。





猫に優しいインテリアブログはこちら
sorabnr_1

ゆるゆる絵日記ブログも更新中♪
bnr_1

猫と楽しく暮らせるおうちプロデュース
house_bnr
btn_blogranking_cat